六合 - 暁に産声、忘却の鼓動

暁に産声、忘却の鼓動

暁に産声、忘却の鼓動

 京都を拠点に活動するダークロックバンド、六合(りくごう)は積田晋平(ボーカル)、原田一樹(ギター)、仲出克大(ギター)、泉良輔(ベース)、八木俊介(シンセサイザー・キーボード)、内田伸吾(ドラム・パーカッション)の6パート6人で構成され、ヘヴィメタルを軸としながらオリエンタルな曲調をも含む幅広いサウンド、文語調の歌詞、生死・精神世界などのモチーフからバンドとして独自の世界観を築いている。
 2008年の1枚目のアルバムリリース以降にギターとベースのメンバーが交代、2012年に現在の体制となり、本作はメンバー交代後の体制で制作された2013年リリースの5年ぶり2枚目のアルバム。

収録曲
1. 求世輝導(ぐぜきどう)
2. 暁光に至(ぎょうこうにいたる)
3. 共心(きょうしん)
4. 獅士、玉虫の背に(しし、たまむしのせに)
5. 薄暮へ(はくぼへ)
6. 未来産声、過去亡骸(みらいうぶごえ、かこなきがら)
7. 分仁(わかつびと)
8. 荒霊(あらたま)
9. 夜会篝(やえかがり)
10. 春風夜行(しゅんぷうやこう)

 振り仮名がないと曲名が読めない。

 オープニング1曲目からいきなりでクライマックスで始まり、続く2曲目、一転してスピード感のある曲。この流れで一気に六合の世界へ。ヘヴィでありつつダンサブルな3曲目はライブで初めて聴いた時に驚いたのを覚えている。5曲目、10曲目では「静と動」における「静」の面が聴ける。6曲目イントロ(必聴!)や他の曲でのキメの変拍子ニゾンにはプログレッシブ・メタルからの影響が見られ楽しい聴きどころのひとつ。
 影響という点で各メンバー様々な音楽を通ってきているはずだが、4曲目で特に顕著だと感じるのがジャパニーズメタルやBUCK-TICK、X等から連なる系譜の影響で、ハード/ヘヴィであるが同時にキャッチーでもあり、六合の音楽はこの系譜の最先端にあるのではないか思う。この曲はギターソロがハマっていて良い。
 また全体を通して特徴的なのがリズム・アプローチの多彩さとシンセ・キーボードの役割の大きさだと感じる。主観的な感覚だが、キーボードがメインのグループを除いてここまでシンセ・キーボードが機能してるバンドも珍しい。TM NETWORKなどからの影響も受けているのだろうか。この二つは、白黒の水墨画からデジタルエフェクト満載の映画までのような幅広い色彩のダイナミクスを持ち、六合の独自性に大きく寄与している。
 ストレートなハードロック/ヘヴィメタルとは異なるユニークな音楽性は1枚目のアルバムから正常進化しており、その多様さはメンバーインタビューにあるように不思議と聴き疲れしないものになっているので、この手の音楽に馴染みがない人は是非手にとってみてほしい(L'Arc〜en〜Ciel好きな方とかどうでしょう)。もちろんハードロック/ヘヴィメタルフリークの方も。

 6曲目イントロは本当に必聴!

*個人の感想です。

公式サイト
六合 Official Web

スタジオラグによるインタビュー
http://www.studiorag.com/interview/13/09/rikugo/index.html
じゃんけんでメンバーを獲得するバンド