Ascension Spectacle : Concert 3

 岡山のライブハウス、PEPPERLANDで行われたAscension Spectacle : Concert 3へ参加してきました。

 Ascension Spectacleは”非記号化され、実効力を持つ音響現象”の創出を目指して制作、2008年にリリースされた自然倍音全音階(可聴域を超えた超音波帯域まで含む、整数倍比を持つ202種の音からなる)による交響曲で、過去二回PEPPERLANDにてCDコンサートが行われてきました。
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 このAscension Spectacleのコンサート、最も忠実に音を出現させるため音源からパワーアンプ直結という無茶なことをしています。そしてその体験環境としてスモーク・マシンにより会場内は自分の手も見えないホワイト・アウト状態が作り出され、加えて強力なストロボ・ライトの高速明滅がなされた状態で演奏が行われます。
 3回目となる今回はより強烈な体験を目指し、最大音圧が100 dBを超える強力なコブラのスーパー・ウーファー?を導入しての開催となっていました。

 イベントの構成は以下の通り

  1. 対談1
  2. Ascension Spectacle : Concert 3
  3. 対談2
  4. Ascension Spectacle : ギター独奏
  5. 対談3

 23時59分、定刻に開場。参加者は客席の床に座ってゆき、満席状態に。
 最初の対談1。スモークによるホワイト・アウト状態ができるまでJINMO氏、能勢伊勢雄氏、嘉ノ海幹彦氏の三人による作品解説など。ストロボ・ライトによる照明も前回(2008年7月26日、Ascnsion Spectacle : インストール)から変更しており、ゲーテの色彩論に基づいたものになっているとのこと。
 自分の手もほとんど見えなくなるほどになった時点でJINMOさんからOKが出て、Ascnsion Spectacle : Cncert 3開始。
 ウーファーの効果でとにかく体にくる振動がすごい。強烈な光の明滅のなか、時間の感覚が薄れ、視界に現れる景色と対峙するうちに最後の大音響で我に返りました。何か太古の世界を垣間見たような感覚でした。
 そしてホワイトアウト状態を保ったまま対談2。対談1と同じ3人で先ほどの体験について。
 JINMOさんの準備ができるとそのままAscension Spectacle : ギター独奏。先のCncert 3同様ホワイト・アウト、ストロボ・ライト明滅状態のなかJinmoid*1のみでの演奏。ギターの音を直接利用しているせいかより荒々しく感じられ、一本の弦から音が積み重ねられ現れてきたものは分厚い空気の塊が押し寄せてくるようでした。

 演奏終了後は対談3で直前の独奏についてなど。
 朝6時頃に対談3も終わり、Ascension Spectacle:Concert 3が完了。
 全身に自然倍音全音階の音を浴びて感覚する、普通では絶対に経験できない貴重な体験でした。

*1:JINMOさんがデザインし、ドイツのBassLab社と共同開発したギター